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いくさ神に挑んだ話。

昔話をします。

その時の私はどうにもイケてなくて、
いや、今もまあイケてないのですが。
何か一発、人生を変える何かはないものか。
そう思っていたところ、
とにかく臭いが物知りな老人から、
蓬莱山のいくさ神を打ち倒せば、
どんな願いも叶えてくれると聞きました。

私はすぐさま蓬莱山行きのフェリー乗り場
行きのバスが出ている駅に向かう
電車に飛び乗るために、自転車の鍵を
手に取りました。最寄駅に行かなくては
いけませんからね。

物事には手順が必要です。

そんなこんなでいくさ神に会いました。

手順など不要です。

私の前に立ちはだかるいくさ神は言いました。
「私を倒すことが出来れば貴様の願いを
 なんでも一つだけ叶えてやろう。
 だがひと撫でで山を払える私と
 まともに戦っては貴様が死ぬるは明白」

言い終わると同時に、
ラミネート加工されたA4サイズの
プリントを渡してきます。

「これが私の変化できるものの一覧だ。
 好きなものを選べ。
 その姿で戦ってやろう」

プリントには
「老人」
「女子高生」
「虫」
「若侍」
「力士」

とありました。

私は困りました。
選べないのです。

もとより、叶えたい願いもなく、
なんとなくイケていない自分が
どうにかなればいい。
神との戦いも、そのきっかけとなればいい。
負けても命までは取られまい。
この戦いを通じて成長できたらいいな。

などと、自分探しの一環のつもりで、
この場にいるのですから。

考えたくないのです。
選びたくないのです。
先送りにしたいのです。

ですが、仁王のようないくさ神に
睨まれると、さすがに考えざるを得ません。

「老人」
勝てるでしょう。
若人ならでは素早いステップで回り込み、
後ろから鈍器でごちん。完勝です。
ですが老人の中には、拳法や柔道などの
武道の師範的な人もいるでしょうから。
それなりのリスクがあります。

「女子高生」
勝てるんじゃないかなあ。
男女差はさすがに大きいと思います。
とりあえず砂を顔にかけて、
目をくらませたところで
鈍器でごちん。完勝です。
ただ、世の中には悪い女子高生もいるでしょう。
毒とか刃物とか使うような。
ゴーゴー夕張的な。
リスクは常に付きまといます。

「虫」
勝てます。
べちんです。べちん。
鈍器を使うまでもありません。
ただ、毒を持つものや、
私の倍近く大きいいくさ神が
化ける虫ですから、
とんでもない大きさだと考えると、
おそろしいことです。
人間大のごきかぶりなど、
思い描くだけで怖気が。
リスク、高いです。

「若侍」
勝てないのではないかと思います。
侍イコール刀です。
長物はまずいですよ。
「若」と断ることで未熟さを
断っているようですが、
そもそもいくさ神が化ける若侍に、
精神的な若さを期待して
いいものでしょうか。
身体ばかり闊達で、
精神は老練な化け物と
戦わされる可能性もあります。
もっともリスクが高いのではないでしょうか。

「力士」
勝てないでしょう。
力士は全身これ筋肉。
瞬発力には目を見張るものがあります。
衝撃は質量と加速度の合わせ技。
とんでもない質量の力士が、
立ち合いのスピードでぶつかってきたら、
私はどうなってしまうのか。
スタミナ切れを狙う戦法もありますが、
マラソンは引き離すまでは短距離走なので、
まあ、すりつぶされてしまうでしょう。
リスクは二番目に高いでしょうね。



並べて考えたところで、あることに気が付きました。
なぜいくさ神は、私に選ばせるかということです。

いくら願いを叶えるためとはいえ、
弱い老人や、女子高生を倒そうとする人間を、
神はどう思うでしょうか。という視点です。

もとより叶えたい願いなどなく、
死ななきゃいいやくらいの私なのです。

老人や女子高生を選ぶのは
少し格好悪いことではないか。


だから私は決めました。
戦う相手は若侍にしようと。
リスクを取ることよりも、
かっこわるく見られることを嫌ったのです。



さて、勝負の結果はどうなったか。

そんなことは些末なことですよね。

ちなみに若侍、めっちゃ強かったです。
刀にオーラを纏わせて薙ぎ払う必殺剣、
大岩がバターみたいに切れてましたもん。
あれは怖かった。
あれは。

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Tag : 妄想

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