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ソードアート・オンラインの中二力

みなさん『ソードアート・オンライン』見てる?

「ドラクエ10でキリトさん多すぎ問題」の原因と見なされるのがこのアニメなんだけど(主人公の名前がキリトさんっていうのさ)、確かによく見ると、中学二年生が好きそうな、というか、中学二年生を甘やかせるだけ甘やかしたようなお話なんだよね。

今回は、既に放映したお話を振り返りながら、
そこにどんな中二が潜んでいたか、以後の研究に役立てるために書きだそうというわけ。
もちろん「ボクが中二と思うこと」だから、極めて個人的な価値観なんだけど、
ほら、嘗てヴィジュアル系バンド「PIERROT」にハマり、
RPGの主人公の名前に「キリト」とつけていた者としては、
やっつけなきゃいけないんですよ。今のキリトさんを!

あ、もう遅いかもしれないけど、このアニメにどっぷりハマれてる人は、以後の文章、読まないほうが良いです。それは素敵な体験だからね。醒めるのはいつでも出来るけど、再び同じ熱を持つのはすごく大変だからさ。


第1話 剣の世界
あらすじ MMORPGの世界に閉じ込められた。

これで終わっときゃ
普通の青少年向け作品の導入なんですが、
ポイントは
「プレイヤーキャラが、
操作している人の顔と同じになること」

ネカマが排斥される安心感と、
かわいい女の子キャラ=実際にかわいい娘とイチャコラしてると同じという達成感が得られるわけ。
ゲームをクリアすればこの世界から脱出できるから、
実際の女の子ともお近づきになれるかも!というモチベーションもあるのかな。

まあ「甘やかし」ですよな。
実際の死を対価に、ゲームの中での活躍が実感をもって味わえるといっても、
あくまで「ゲーム」だという現実はつきまとう。
ゲームは終えた後現実に向き合わねばなりませんが、まあ辛いことです。
ボクだってずーっとアイドルマスターやっていたい。
だけど、このお話は現実と向き合う苦味を軽減している。
「ゲームの中で知り合った女の子と実際に付き合えるかもよ」というニンジンのペーストで。

担保がないとゲーム一つ楽しめないというのは、
おっさんからしたら「若いな」となるわけ。


第2話 ビーター
あらすじ 第一層のボスの倒し方がマズくてみんなから嫌われた。

いやー、来ました。
「俺は善人だけど、死者の名誉を守り、この場を収めるため、敢えて悪の名を受ける――」
自己満足の極み、中二のロマンです。
黒いローブを羽織っちゃうのも良い。黒は押さえておきたいよね。

ただ
「ビーターや!」
「それいいな!」
そうかなあw


第3話 赤鼻のトナカイ
あらすじ キリトさんのつまらん嘘で仲間が死んじゃった!責任感じちゃう。

まずね
「一匹狼を気取っていたおれが得た安息の場所、しかし幸せは長くは続かない。やはりおれは一人で生きるほかない――」
というのは、ハードボイルド気取った男のナルシズムとして様々な作品で出るのでほっといて。

問題は
「自分の幸せのためについたウソのせいで死んだサチさんのことを悔やんでいたら、死んだサチさんからのメッセージが。いやーウソとか全部知ってたから気にしないでと告白。その上優しくしてくれてありがとねとお礼まで言われちゃう!」
ことだと思います。
公式では「キリトにトラウマが残った回」という扱いですが(ラジオにて)、
そうだろうか。
サチさんが最期何か言おうとしていた、だけど俺を非難する言葉だったらどうしよう。
と思うからこそ、トラウマは生じるのではないでしょうか。
(もちろん、視聴者はありがとうと言うと予想できるだけのヒントは撒いておき、キリトさんだけわからないようにしておくのは必要)。
サチさんのメッセージのあと流したカタルシスの涙で、キリトさんの悔恨も、キリトさんに自分を重ねた視聴者の辛さもあらかた洗い流されてしまったことでしょうが、それでも「トラウマはのこった」と言い張れないこともない。

視聴者にストレスを与えない。キリトさんを悪者にしない。
それでいて「トラウマ」という美味しいスパイスを加える。
なんという「甘やかし」と「中二」。
完全看護病棟はここですか。

自暴自棄になって強敵に挑むシーンなんかも実に美味しいですが……あんまり書いてもね。


第4話 黒の剣士
あらすじ 幼女にかっこいいところを見せよう

幼女に関しては7話の展開と関連して書くとして。

今回の珠玉は
「お前らに格の違いを見せつけましたが、それはこのMMORPGの世界の問題点なわけで、決して威張れるもんじゃないんですよ?」
というキリトさんの態度ですかね。
単純な「おれTUEEE」にあぐらをかかず、
世界に不条理を問うことで「おれTUEEE」することの気恥ずかしさが薄れ、かつシニカルに振る舞えるという、熟練の中二。匠の技です。
この後の
「俺はソロだから一日二日オレンジになっても問題はない」
という威圧も、上の中二がちょっと分かりにくいかな?という人をスッキリさせる作用があり、
嗜好の差を鑑みた、行き届いた中二なわけで。素晴らしいですね。


第5話 圏内事件
あらすじ ありえない殺人事件をアスナさんと解決するよ。

「普段いがみ合ってるオレとアイツだけど、いざという時は息ぴったり!」
というのは、中学生の夢想の最たるですが。
(相手との適度な距離が測れないので女の子とのコミュニケーションがてらの口喧嘩なんて夢のまた夢)
いやー、まさか、その関係になるまでの描写を全てすっ飛ばすとはね。
武士沢レシーブか何かか。
作り手も2話でのちょっとしたやりとりで語りきったとは流石に思ってないでしょうから
「今の若者は、携帯小説のように美味しいところだけ繋ぎあわせた話でも適応できる」
「作者が書きたくない」
「読者もタルいから読みたくない」

というこの辺りの要素が絡んでのこの展開なのでしょうな。
中二的嗜好と、最近の風潮の合わさった一例です。

また、
「行きつけの店の店主との気安いやり取り」
というのもこの話で見ることができます。
これも典型的な中二ですね。
まあおっさんになって外回りの仕事についたりなんかすると(特に中小は)、こんなことばっかりすることになるので、憧れていられるうちはどんどん憧れるのがいいと思います。実際のおっさんはもっと下品だ!あと中国人の金払いが悪い。


第6話 幻の復讐者
あらすじ ありえない殺人事件をアスナさんと解決したよ。

アスナさんの中学生レベルの説教で、
崩れ落ち後悔する犯人という中学生レベルの展開は、
「厨二的な意味ではなく、リアル中学二年生」
という、今までで一番怖ろしいものを見せられた思いです。
こういう話を見ると、
もう深夜でやる意味あるのかなあと疑問に思うばかり。
世が世なら、木曜18時30分にテレビ東京で、ですよね。


第7話 心の温度
あらすじ かわいい鍛冶屋に剣を打ってもらいThai。

この話で確信してしまったんですが
キリトさん、女の子と仲良くなるきっかけがどれも
「女の子のピンチを救う」だ……。


どれだけ非コミュなのか。

非コミュなのはキリトさんばかりじゃないですよ。
想像してみてください。
今回鍛冶屋のリズさんは、キリトさんを巡る恋に敗れたわけですが、もし来週、リズさんが別の男見っけてキリトさんのこと吹っ切れてたら、
みなさんイラっとしません?

イラっとした人は先週のアスナさんに怒られてください。
人はモノじゃねーんだから……。

考えるに、みなさん
人がちょっとした会話や雰囲気から相手を好きになる「感覚」を信じられないか、感じ取れないんですよ。
だから人が人を好きになる明確な理由を求めるんです。
そしてそれは事象でなくてはならない。
事象は裏切らないから、同様にその時生じた恋心も裏切らないと――。

好きになる理由が明瞭なのは「甘やかし」です。

別に割りきって楽しめる分には何ら問題ないんですが、
(ボクだってハーレムものは好きだ)
自分の楽しんでいるものが偏っていると気付けないと、
一般的なラブコメを見て
「好きになる理由が不明瞭」なんて、したり顔で言うようになるのです。


(注:3話のサチさんはあからさまにピンチを救ったわけではありませんでしたね。また、キリトさんだけが彼女の異変に気づき、弱り目にお話を聞いてあげるというのは、コミュ力高めで、けっこう好きです。)
・・・

さて、
前半7話までソードアート・オンラインの各話を振り返り、
ボクの考える
中二っぽいところ、甘やかしっぽいところを
書きだしてきたわけですが。

なんだか書いていて悪い気がしてきちゃったよ。
「中二」だって「甘やかし」だっていいじゃない。
自分をキリトさんに重ねて、心を自由に遊ばせ、
日々のストレスを解消できるなら、それは素敵なことだよ。

ボクの好きなラブコメ作品のAmazonレビューに出張してきて
「好きになる理由が不明瞭」「携帯小説レベル」
とか書きさえしなけりゃな!

しまった、私怨と本音が漏れ出てしまった。

えーっと、オチとしましては。
ある作品にどっぷり浸かることは批判されるべきではない。
むしろストレス解消に有用で、
日々を楽しく生きる糧になるかも。
だけど、その作品の「ものさし」で、
別の作品をはかろうとすると、
とっても悲しいことが起こる可能性がある。
だって規格が違うんだもの。
度量衡が違うことを頭に入れて、そのすりあわせをしながらものさしを当てるのは良いけど、
果たしてそれが出来る人がどれだけいるのだろうか……。

と、オチになってない?

まあいい。
ソードアート・オンラインラジオでも聴きながら、
アイドルマスターの漫画を描こう……。

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Tag : アニメ

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